2013年夏アニメ総評
2013年夏アニメをおさらいしてみましょうか. ということで,今回は以下の項目に該当する作品を選びました.
○音楽部門 OP,ED,楽曲総合をそれぞれ一つづつ選ぶ.その際,アニメーションとの親和性はもとより,歌詞,世界観がマッチングしているか,等も考慮し選ぶ.
○演出部門 演出とは,「効果的に見せる(魅せる)」ことである.アニメーター独特の技法だけでなく,作品を引き立てるために思案された脚本(ストーリー)も含め,響いてきた作品の「話数」を3作品選ぶ.
○ヒロイン部門 ヒロインとは,われわれ視聴者にとって,天使とも悪魔とも映る存在である.結婚をしたい,子づくりしたい,殺されたいと願って止まない(病まない)彼女たちの中からとくに素晴らしかった3名を選ぶ.
○総合評価 アニメに序列を付けることはなかなかに難しいが,しかしお気に入りの作品は出てくるものである.今クールのアニメでそれぞれベスト3までと,ワーストを1作選ぶ. <<
それでは,選んでいきます.
○音楽部門 OP:『ロウきゅーぶ!SS』(『Get Goal!!』) 疾走感あるデジタルサウンドと,サビの心地よさがGOOD.映像の方も,話の進行上,5年生の背番号が変わるのに合わせて背番号が変わったりと,少し工夫があるのでこの変化もまたよいです.
Get goal! (通常盤) (TVアニメ「ロウきゅーぶ! SS」OP&ED主題歌)
- アーティスト:RO-KYU-BU!
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2013/07/10
- メディア: CD
ED:『げんしけん二代目』(『アオくユレている』) 班目の咲に対する想いを匂わる胸に刺さる歌詞とコーラスが心地よい一曲.アニメの演出としては平凡だが,だからこそ歌詞の良さが際立つのかもしれません.
- アーティスト:吉武莉華(上坂すみれ),矢島美怜(内山夕実),波戸賢二郎(加隈亜衣) 荻上千佳(山本希望),荻上千佳(山本希望),吉武莉華(上坂すみれ),矢島美怜(内山夕実),波戸賢二郎(加隈亜衣)
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2013/08/07
- メディア: CD
楽曲総合:『ステラ女学院高等科C3部』 サバゲーパートのJazzテイストの軽やかな楽曲と,日常パートでの気の抜けた楽曲が子気味よく,作品を豊かにしていたと感じました.
○演出部門 「当タッテ、弾ケロ。」(『ステラ女学院高等科C3部』#12) モヤモヤこそ,カタルシスを得るための最高の素材であることは間違いなく,自分を変わろうと空回りして,視聴者をハラハラモヤモヤさせ続けたゆらが,ようやくC3部に帰ってきて,サバゲーをするという回. それだけでなく,演出的な遊びもたくさん用いており,気持ちがよさがより快楽を感じさせるものでありました.
「封じられた言葉!!」(『帰宅部活動記録』#7) しりとりをここまでおもしろくできるというだけで評価できます.
「Absent Lovers」(『神のみぞ知るセカイ 女神篇』#9) ちひろを傷つける言葉を言い放つ桂馬の悲痛な顔,行動が見ていてとてもつらい.桂馬が人の気持ちに初めて触れ,そして#12「初めて恋をした記憶」で,ちひろも桂馬もはじめてちゃんとした「失恋」するという見事なストーリーの足がけをしっかりされていた点が評価できる.
○ヒロイン部門 小坂ちひろ(『神のみぞ知るセカイ 女神篇』) 報われないヒロイン.だが,そこがいい.アスミンの演技が魅せてくれました.
霧島れんと(『ステラ女学院高等科C3部』) ギスギスしたあのC3部の中で,唯一の天使でしたね.棒読み加減もまた良い.
千早恵(『サーバント×サービス』) ヘタレな一宮さんにイライラしてるところが良いです.ヘタレなので,ちょっと強引めにいく千早さんかわいい.
○総合評価 1位 『げんしけん二代目』 社会人になってみて分かることがある.オタク的な情熱を注ぐ時間もなくなって,居場所がなくなりそうな不安感や,あの場所に戻りたいと思う気持ち.過去を懐かしむなんて,前向きじゃないけれど,そこまでキラキラしてない,あの鈍い色した時代を思い出しながら,見ていました. 安定したおもしろさと,青春の渋さが同居した名作です.
2位 『ステラ女学院高等科C3部』 げんしけん二代目と拮抗してたけれど,13話が蛇足に感じてしまったので,総合2位となりました.物議を醸す作品ではありましたが,ゆらの壊れていく感じとか,れんと大天使な所とか,見所が沢山あったので満足です.
3位 『ロウきゅーぶ!!SS』 「俺はロリを見て股間を濡らしたいのに,おかしいな,普通に涙を流しているんだな.やっぱり小学生は最高だぜ!!」
「ロウきゅーぶ!SS」第1巻(初回生産限定版) [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2013/09/25
- メディア: Blu-ray
ワースト 『犬とハサミは使いよう』 ナチュラルに変な人たちが多い夏アニメ(『ファンタジスタドール』,『ステラ女学院高等科C3部』)では,滑っているように見えた.というか,実際に寒いので夏のワーストです.
犬とハサミは使いよう 1 (初回生産限定版、鍋島テツヒロ描き下ろし三方背BOX、更伊俊介書き下ろし小説同梱) [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: エイベックス・ピクチャーズ
- 発売日: 2013/09/20
- メディア: Blu-ray
○おわりに 今期(秋クール)は金元さんの主演,脇役の作品が多くて楽しみです.