2012年のアニメのベストとワーストを決めてみた
先日,シンシアニメラジオ支部にて,2012年のベストとワーストのアニメが発表されました.ベストは『謎の彼女X』,ワーストは『夏雪ランデブー』という顔ぶれで,納得です.
ところで,僕の今回その企画の投票者の一人として,アニメを選びました.今回は,そのお話をしようと思います.○○年のベストとワーストのアニメを考えるといったとき,何を基準にすべきでしょうか? そのような問いから始めた時,新規性,期待値と実際に見た時との誤差,作画の安定さ,脚本の整合性といったような点が挙げられるでしょう.そして,○○年のベストとワーストを挙げるということは,その順位より下(上)の作品を不問にして,代表させることを意味しているでしょう(=代表性という観点).ということは,ベスト/ワーストとして挙ったアニメが,その年のアニメを代表していることを理解しなければなりません.すると,必然的に2期目の作品としては,ベスト/ワーストとして挙げるには厳しい面が出てきます(もちろん,演出的に新規の試みをし,成功/失敗したのであれば,この限りではありません).例えば『ゆるゆる♪♪』や,『夏目友人帳 肆』といった作品は,「安定した面白さを持つものの,それを2012年を代表するアニメといえるのか?」と問われた場合に,そういえると言えるだけの新規性や社会性が見当たらないでしょう *1.そのような観点を持って2012年のアニメのベスト/ワーストを考えるとき,僕はベストに『戦国コレクション』を,ワーストには『中二病でも恋がしたい!』を挙げたいと思います.
ベスト:戦国コレクション 2011年には,パチンコアニメとして『Rio RainbowGate!! 』『戦国乙女〜桃色パラドクス〜』などのアニメが放送されました.この時点で予測されていたのは,ソシャゲ(ソーシャルゲーム原作)のアニメ化であり,そして放送がなされたのが,『戦国コレクション』です*2. 本作の秀逸な点としては,原作のアイデアは借りながらも,脚本家や演出家が自由に創造性を爆発させながら作っている点,およびソシャゲ全盛の本年において,それがアニメ化されたという社会的事情が評価対象となりました. 次点を挙げると,『人類は衰退しました』ですね.
- 出版社/メーカー: ユニバーサルミュージック
- 発売日: 2012/06/06
- メディア: Blu-ray
ワースト:中二病でも恋がしたい! 京都アニメーション制作ということで,期待値が非常に高かった本作でしたが,最後に本作は何がしたかったのか,という作品に終わった気がします.ワースト候補として『シャイニング・ハーツ〜幸せのパン』,『這いよれ!ニャル子さん』がありましたが,期待値とのギャップが著しく,かつ京アニでもやはり失敗する*3ことを立証した作品であったことが,評価対象となりました.また2012年秋クールにおいて,『さくら荘のペットな彼女』,『ガールズ&パンツァー』,『PSYCHO-PASS』といった作品群が尻上がりに面白くなる展開したという外部的な要因も,影響として考えられるでしょう.キャラ萌えに振れたかったのか,シリアスに振れたかったのか,ある意味で視聴者をふるいに落とす,挑戦的な作品だったのかもしれないと思います.
以上で,2012年のアニメのベスト/ワーストの発表を終わります. 2013年,素晴らしいアニメにであることに期待して.*1:たとえば『ハートキャッチプリキュア!』は,シリーズものであれ,大きなお友達を巻き込むほどのブームを焚き付けたことが社会的事実として見える点で,シリーズものであっても代表性を持ち得るといえる.
*2:他には『探検ドリランド』もあるが,残念ながら僕は見ていません
*3:過去にはムント様での失敗もありましたが.