思考実験室

日々のつれづれ

2014年アニメOP10選

 みんながやってるから,というよりは紹介したい作品があるため初参加。  ではやっていきましょう。

彼女のフラグがおられたら:「クピドゥレビュー  スイングジャズ調の楽曲に悠木碧さんのウィスパーボイスが合います。映像もカラフルなので,聞いているだけで幸せになれる感じがあってとても良かったです。 悠木碧さんのライブに行きたいと思いましたね。

普通の女子高生が【ろこどる】やってみた:「ミライファンファーレ」  かっこいいギターソロ!から始まって,そのほかの箇所でもいろいろと主張しているエレキギターや,ファンファーレよろしくトランペットの音を調和させ支えている優しいアコースティックギターの楽器群に負けない二人の歌の強さとは一体何なのでしょうか。  Aメロはそれぞれのパートで個性を出しながら,Bメロでは奈々子を演じる伊藤美来さんのあとに縁を演じる三澤紗千香さんが輪唱をして支えているように歌い,サビ前のBメロから力強いユニゾンになって一気にサビへ行くという構成になっています。このあたりから流川ガールズのユニットとしての強さみたいなものを感じられますね。

ゴールデンタイム:「The♡World´s♡End」  前期OPとは一変,心をぐらぐらさせるようなストリングスと,疾走感のあるドラムに堀江由衣さんの声が加わって,とても不安定に感じるこの楽曲となっています。恋愛をテーマにした本作にも非常にマッチしており,サビの部分で走りながら涙を浮かべる香子のシーンは,この物語の終末を予期させる,つまり万里との恋が破局を迎えるのではないかと思わせるものとなっているあたりも心憎くて飛ばせません。ちなみに2番からはドラムがドコドコドコドコから,普通の8ビートを刻むようになり変化が生まれているのでこの違いも面白い。

ヤマノススメ セカンドシーズン(前期OP):「夏色プレゼント」  石浜真史さんの映像ってほんとセンスがあって好きです。見た時から虜でした。やっぱりアニメは表現の可能性を感じさせるものじゃないとダメなんだ!ポップさとか,スタイリッシュさとか,そういった職人気質的なものも含めて,見ていて楽しいと感じさせるものじゃないと。

ヤマノススメ セカンドシーズン(後期OP):「毎日コハルビヨリ」  「夏色プレゼント」から秋のにおいを感じさせる曲調となった楽曲。落ち着いた曲に代わっても作品の良さを損なわないOPのセンスに脱帽です。歌詞に対して映像がちゃんと応えていて,「見ればすべてわかる」と言って見せても,その伝わるのがいいですね。

人生相談テレビアニメーション「人生」:「凸凹解決せんせーしょん」  中毒性のあるスルメ曲枠。OPの映像は特筆すべきところはないのだけど,「No, no!」,「Yes, yes!」の歌詞と映像を合わせるところとかは,結構好きかもしれません。この曲をきっかけに乙女新党のCDを買いました。

デンキ街の本屋さん:「齧りかけの林檎」  亀田音楽専門学校ゴスペラーズをゲストに迎えハーモニー(ハモ/コーラス)をテーマにした回がありました。その回を視聴した後だと,竹達さんのこの曲がかなり戦略的に作られていることがわかります。以下,サビを抜き出して解説します。

あまくて切ない わたしのココロ 齧って逃げた子 だーれだ ゆらゆら揺れてる 私のココロ 恋する気持ちは 齧りかけの林檎」

Bメロの途中からハモがかかってきて,サビへと移行するのですが,このときにハモは主旋律より低い音で歌っています。赤字になっているのはハモがかかっている部分で,それ以外はユニゾン(同じ音)ですね。この低い音でハモをすること,すなわち主旋律との音の高さから離れてハモをすることによって,歌詞にあるような不安な気持ち,不安定さを奏でてキュンとする楽曲になっているかと思われます。

ばらかもん:「らしさ」  ジャーン↓,ジャーン↑とギターを鳴らした後に,「自分らしさって何だ?」という歌詞がとても象徴的。また2番のCメロにあたる「個性を出さなきゃいけない そういう流行りの無個性で 悟ってように一歩引いた 匿名希望の傍観者」という歌詞など,一曲を通して『ばらかもん』のテーマとして描かれた,半田先生の個性をめぐる葛藤を歌詞に込めていて相乗効果で感動を呼び起こします。

僕らはみんな河合荘:「いつかの、いくつかのきみとのせかい  爽やかなキーボードが鳴り,澄んだtowanaさんの声が映像に非常に合っています。とくにサビ部分では,歌詞が「いつかのきみのセカイ 僕にも見せてよほら今」とあって,本が飛び交い,りっちゃんの衣装が次々に代わる映像を見ると,歌詞と映像をしっかり合わせてきたなという制作者の意図がしっかりと見える作りになっています。「きみのセカイ=りっちゃん」を見ている「僕=宇佐くん」という図式を映像にしているかと思われます。 それから,「胸が締め付けられる」という歌詞に,宇佐くんとりっちゃんのツーショットのシーンも憎いですね。

未確認で進行形:「とまどい→レシピ」  「あぁどうしよ」と小紅が目を伏せながら顔を赤らめるシーンで萌え死んだのが僕でした。本当にありがとうございました。  今回の記事のためにこのOPの映像は20回くらいは見直しているのですが気づくことはやはりあって,それは動画工房はただ単に巨乳安産型の夜ノ森小紅さんのおっぱいを揺らしたいだけではないのがわかります。  たとえば「どうして私なんだろ」という歌詞のあるシーンでは,小紅が不思議そうな面持ちで視聴者の方向に向くのですが,このとき隣にいた紅緒と真白はフェードアウトし小紅だけになり,「あぁどうしよ」のシーンへとつながります。そしてサビのシーンでは,一人だけぽつんと立っている小紅にところに白夜だけがたどり着きます。つまり,小紅の許嫁である白夜をきちんと肯定しているというのがこの映像から読み取れるということに他なりません(ちなみに紅緒は小紅のところに近寄ろうとするのですが,撫子に拉致されます)。  ほかひいき目に見れば,このキャラクターはこんな性格だ!というのが映像を見ていると伝わります。宙に浮かんだシーンだと,まゆらは楽しそうにしてるし,仁子は宙に浮かんでいることに面白がって写真を撮っています。紅緒は宙に浮かんでいる状態なのに小紅を求めて手を伸ばし,撫子は冷静に紅緒を拉致している。真白とこのはは慌てている様子が描かれています。このあたりからも良く出来ているなと感心せざるを得ないのです。  そして「ふぅふぅ らったった らったったった〜」と面白い歌詞にリズミカルなドラムとパワーコードをかき鳴らすギターでありながら,なぜかちょっと切なくなるような感じを受けるのは,「みかくにんぐッ!」の照井春佳さんの発声,声質が特徴的であり,フレーズの終わりは前の音に対して音が下がっているためそのように感じさせているのではないかと思われます。譜面(ことメロディ)に関しては以下の動画を参考にしてほしいのですが,「恋心はいっ↑ちゃっ↓た↓」,「あぁ↑どう→しよ↓」,「なんて非→日→常→的な↓レボ↓リュー↑ション↓」など,フレーズの終わりは一音ないし二音下がっています。この節目節目に一音ないし二音下げることよって,突き抜けられなさのようなものを,すなわち「とまどい」を音から表現しているのではないでしょうか。

未確認で進行形 OP】 とまどい→レシピ (TV.ver) 【Guitar TAB】:

 以上,『未確認で進行形』のOPについて語りたいがために勝手にこの企画に乗りました。ご紹介した楽曲のなかで気になるものがあったら,ぜひ購入して聞いてあげてくださいね。

 あとお前OP選と言っときながら映像に触れてねーやつあるじゃんとか言うのなしな!